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島唄とシマ唄 三味線と三線

奄美三線

島唄とシマ唄

当ブログを読んでくださっている人であれば、THE BOOMのヒット曲「島唄」を知らない方はいないのでは無いかと思います。私自身も大好きな曲の一つです。

でいごの花咲き 風を呼び嵐が来た
でいごが咲き乱れ 風邪を呼び嵐が来た

南の島の音楽の代表曲 = 島唄 と言っても良いぐらいに、歌の内容、三線の音。島唄は全国区の唄となり歌われています。1992年のアルバムに収録された曲ですから、もう発表されてからは、二十数年にもなるんですね。

ところがです、島唄という言葉は、同じ琉球諸島でもある奄美大島の民謡である「島唄」と被ってしまったのです。今では、島唄という言葉は、沖縄の民謡を指す、と言っても良いぐらいに島唄は沖縄の唄の総称とイメージされるまでになりました。

この様子に異を唱えたのが、奄美大島の人達でした。

「いやいや、島唄は奄美の民謡のことを指す言葉だよ」と。

どうして、そういう話になってしまったのか?というお話を本日はお届けします。

奄美大島の島唄について

加計呂麻 徳浜

そもそも、奄美大島で言う、島という言葉は、集落のことを指す言葉であって、Island(島)ではありません。奄美では出身地を尋ねるのに「あんたの島はどこね?」みたいな言い方をします。

各島(集落)で歌われて来た唄なので「島唄」と呼んだのです。

私自身、沖縄の唄を島唄と呼ぶことに、今では全く抵抗はありません。むしろ、宮古島や石垣島の民謡は、奄美の民謡との共通点なども沢山見出すことが出来ますし、彼の地での唄もまた、集落ごとに守られ、唄い継がれてきた「島唄」であることに気が付く様になったのです。

とは言え、私も奄美の島唄をずっと唄ってきたわけです。島唄が好きだと言われて、THE BOOMの島唄のことだった、と言う落ちは、何度味わっても気分の良いものでは無いのは、本当ではあります。

そこで、当ブログでは、自分の唄う奄美民謡を、大きな声で紹介して唄って行くため、他のIsland(島)との唄とは区別して、奄美の民謡を区別して紹介したいとの想いをこめて、奄美大島の島唄のことは「シマ唄」と表記するようにしました。「シマ = 集落」と思っていただければと思います。

三味線(しゃみせん)

中国から伝わった、いわゆる三本の弦が張られているから三線なのですが、奄美大島でも三線と呼びますし、特に年配の方は「三味線」と呼ぶことも多いです。

どちらかと言うと、三線という言葉は、沖縄から来た言葉では無いかと思います。

対して三味線は内地の言葉。奄美大島の民謡は、本土の民謡の南限だと言われる訳ですが、三本の弦の楽器の呼び方にも現れているのではないでしょうか。

私の師である武下和平師匠も、三味線という呼び方をしますね。奄美のシマ唄は唄があってこその三味線だ、そんな訳で、私の主催する三線教室も、師匠の言葉を借りれば「奄美シマ唄 三味線教室」ということになりますね。

当ブログでは、あまりこだわりを持たずに、三味線と三線、両方使って表記しています。

蛇味線と蛇皮線

長唄三味線

内地では、沖縄・奄美の三線、三味線を「蛇味線(じゃみせん)」「蛇皮線(じゃひせん)」と呼ぶ方がおられますが(年配の方が多いようです)、奄美大島や沖縄の地ではこの呼び方を聞くことはまずありません。

蛇の皮を張ってあるので蛇味線と、誰かが言いだしたのだろうと言うのが大方の見方です。

「奄美三味線」「奄美三線」「沖縄三味線」「沖縄三線」これで良いでしょう。

そうでなければ、津軽三味線や長唄三味線も、犬味線、猫味線みたいに呼んでもおかしくないですよね。

余談になりますが、奄美三味線は今はその音の奏で方から、人工皮を使うようになり、本革を使った三味線を見ることは珍しくなりましたが、沖縄のニシキヘビ然り、内地の三味線で使用する、犬や猫の皮が手に入りづらくなってきている話を、沖縄でも、津軽三味線の奏者からも耳にするようになりました。

  1. 竹内英夫

    blog開設おめでとうございます。どんなジャンルの音楽もいざ自分で歌い奏でるとなればなかなか難しいのですが私は奄美民謡に何か懐かしさを感じます。blog楽しみにしております。

    • momoyo

      竹内様 ありがとうございます。音楽はどのジャンルも奥が深いですね。

      奄美民謡に懐かしさを感じる (*^^*)とても有難いお言葉です。今後も精進して、島の民謡をご紹介出来たら嬉しいです。

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